SEOコンサルの日常

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SEOに効果の有る内部リンクの位置や貼り方を実体験に基づいて解説

SEOにおいて内部リンクは重要!という記事はよく見かけますが、

概念論的な話や、「まあ、それはわかってるんだけど」的な記事が多く、実務をしている方にとってはあまり解決にならないことが多いです。

同じようなWeb担当者の人たちにとっては、以下のようなことが最も気になるところかと思います。

「アンカーテキストにキーワードは何個入れればいいの?」

「どこに内部リンクを設置すればいいの?」

「何本くらい置けばいいの?」

自分が実務を行う中で、「内部リンクをおいたことで3位上がった!」などの体感はありませんが、

SEOを意識した内部リンクを設置する際に気を付けていること、具体的な例を書いていきます。

SEOの観点から内部リンクで注意すること

ユーザーの導線という意味は置いておいて、SEOの観点だけから考えた場合、

内部リンクの目的は以下の3つになります。

検索エンジンにページを見つけてもらうため(クローラビリティの向上)

・サイト内でどのページが重要かを検索エンジンに示すため

・内部リンク先のページのテーマや内容を検索エンジンに示すため

上記3つの観点から、それぞれどういう内部リンクを設置するべきと考えているかご説明します。

検索エンジンにページを見つけてもらうため(クローラビリティの向上)

Webサイトには途方も知れないような数のページが存在しています。

検索エンジンがどうやって新たに生まれたページを発見しているかというと、リンクという道路を辿って、ページに辿り着くことで、ページを発見しています。

そのため、道路が途中で欠けていたり(URLが正しくない)、そもそも道路が存在していなかったり(リンクがどこからも張られていない)すると、

検索エンジンはページに辿り着くことができません。

クローラビリティについての詳細は下記を参照してください。

クローラビリティについてのSEO HACKS記事

また、車で言うガソリンのような、クロールバジェットという概念があり、

サイト内のページを全部辿ってくれるわけではなく、ガソリンが切れるまでしかページを見つける努力をしてくれません。

ただし、食べログやアマゾンなど、サイト規模が大きすぎる上にユーザーによってコンテンツ・ページが生成されるようなサイト以外は、

クロールバジェットを気にする必要はないと思います。(今まではクロールバジェットについて公式発表はなかったのですが、2017年1月に公式が発表をしました。)

上記を踏まえて、クローラビリティの観点から気を付けるポイントは、以下2点になります。

1.見つけてほしいページへのリンクを正しい形でクローラーがよく来る場所に設置する

クローラーはURLの間違いを勝手に修正してくれるほど親切ではありません。

そのため、リンクを設置する際には見つけてほしいページのURLを正しく設定する必要があります。

例えば、httpとhttps、index.htmlのありなし、www.のありなし、などページの内容は同じでも、

複数のURLを持っている場合は、どのページにクローラーを辿らせるかは重要です。

上記の場合は、そもそもURLの正規化を行わなくてはいけませんが、

URLの正規化を行った後に、内部リンクのリンク先もすべて正規化したURLに寄せたところ、順位の上昇がみられました。

正規化についてはこちらの記事を参考にお願いします。

URLの正規化とは

そのため、正しく見つけてほしいページのURLは正しいURLで記述することを気を付けています。

辿ってほしいURLを決めたら、あとはどこにその内部リンクを置くかが重要になります。

サイトの最下層に1つだけ内部リンクを置いていても、内部リンクが置かれているページまでクローラーが来ないと意味がありません。

そこで、クローラーがよく来るページに、辿ってほしいページへの内部リンクを設置する必要があります。

クローラーが一番回ってくるページは、基本的にはトップページになります。サイト内外から最もリンクが集まるページであるため、クローラーも多く回ってきます。


そのため、トップページ内に新しくできたページへのリンクを設置することが最もオーソドックスな対応になります。

毎日(毎分かもしれません)新しいページや情報がサイト内で更新される食べログさんでは、トップページの中部に、「新着口コミ」の欄があり、口コミが更新された店舗ページへのリンクが設置されています。

食べログさんの内部リンクの例

上記の例のように、クローラーがよく来る場所に辿ってほしいページへの内部リンクを正しいURLで記述することが重要です。



2.特に辿ってほしくないページへのリンクは設置しない

こちらは1番よりシンプルで、闇雲にリンクを設置しないということです。

たまにフッターにすべてのページへの内部リンクを羅列していたり、

サイドカラムにリンクを羅列しているサイトを見かけますが、あまりよろしくないかと思います。

クローラーのガソリンが尽きないように、特別検索流入を望まないページや更新を頻繁に行わないページへの内部リンクは、

テンプレートのような形で設置しないのが良いと思っています。



このあたりは本当にMERYのSEOはよく考えられて行われており、関連する記事で強化したい記事に対して内部リンクが徹底されていました。

サイトポリシーや、会社概要などはトップページだけに設置し、それ以外のページには特に置かないようにしています。

(法律などの関係ですべてのページに表示しなくてはいけないなどの特殊な業界があるかもしれません)


クローラビリティを意識した内部リンクについてのまとめ

1.見つけてほしいページへのリンクを正しい形でクローラーが来やすい様に設置する

・辿ってほしいページのURLを正しく記載する(URLの正規化も行う必要がある)

・クロールさせたいページへの内部リンクは、クローラーがよく来るページに設置する

2.特に辿ってほしくないページへのリンクは設置しない

・サイト内でクロールさせたいページとそうでないページの区別をつける

・闇雲に共通部分(フッターなど)にリンクを羅列しない


上記を意識しておけば、超大規模サイト以外は及第点だと思っています。

内部リンクはこだわりだすとキリがない領域なので、書くのがなかなかしんどいのですが、残り部分を書いていこうと思います。

サイト内でどのページが重要かを検索エンジンに示すため

重要なページと言われてどこが思い浮かぶでしょうか。

恐らく、どんなサイトにおいてもトップページが最も重要だと思います。

会社名やサービス名、ビッグキーワードで検索したときに流入が期待できるページですし、

会社名やサービス名で検索しているユーザーは、ニーズが顕在化しており、CVに最も近いユーザーと言えるでしょう。

そのため、売り上げ貢献的な意味でも、サイトの顔としても最も重要なのはトップページだと考えています。

内部リンクを見てみると、基本的に全ページのヘッダーにトップへの内部リンク(画像だったりもします)が設置されていることでしょう。

検索エンジンはおそらくそういう傾向を読み取り、サイト内すべての内部リンクの本数の中で、「何%がAというページに向けられていて、何%がBに向けられている」...といった形で、

内部リンクの本数の割合を、サイト内での重要なページを見分けるために使ってるんじゃないかという仮説を持っています。

その仮説に基づくと、フッターで闇雲に全ページへ内部リンクを送ってしまうと、割合が平準化されてしまい、

重要なページを見分けることは困難になってしまうのではないかと考えています。

「東京 レストラン」などでも、東京のレストラン一覧ページが評価されているのは、

パンくずリストなどの内部リンクで、配下にある無数のページから内部リンクを向けられているから必然的に内部リンクを多く受けるページになります。

そこで、内部リンクを置く際には、検索エンジンに特別重要だと思ってほしくないページ(サイトポリシーや会社概要など)への内部リンクは、

極力テンプレート化して置くことは避けています。

実際に、商品の紹介をしているページを数百ページ持っているサイトで、最初はパンくずリストが設置されていなかったページに、

その商品をまとめた一覧ページに対してパンくずリストで内部リンクを向けたことで18位→9位程度まで順位が向上した事例を見ています。

パンくずリストは、単純な内部リンクとは違う意味合いを持つといわれていますが、ページの構造を示すことは検索エンジンに親切なため付けていてそんはないでしょう。

内部リンク先のページの内容を検索エンジンに示すため

今の検索エンジンは基本的にページ内のテキストを読み取り、サイトの内容やテーマを把握しているとは思います。

しかし、内部リンクのアンカーテキストの文言もページの内容を読み取る際に参考にしているのではないかという仮説を持っています。

アンカーテキストで同じ文言を同じURLに向けて数百の内部リンクを設置していた場合、

ページのtitle要素ではなくアンカーテキストが検索結果にタイトルとして表示されたことがあります。

その事例から、アンカーテキストは検索結果に影響を与えていると判断し、

内部リンク先のページ内容を端的に示したキーワードを入れてアンカーテキストを設置するように心がけています。

よく「詳しくはこちら」などでアンカーテキストを設置している事例を見ますが、

多少の手間でもリンク先のページの内容に即したキーワードを入れたアンカーテキストを設置するべきかと思います。

しかし、都道府県ごとのレストラン一覧ページなどリンクが並んでいる場合は、

東京都のレストラン一覧
埼玉県のレストラン一覧
・・・・・・

などと長くなってしまい、見え方としてあまり綺麗ではないので、キーワードを入れることを意識しすぎず、

サイトを客観的に見たときに不自然じゃないか、という観点からの兼ね合いで設定しています。

SEOの理想を追求した某女性メディアの場合は、SEOを意識しつつユーザーの導線をよく考えており、

邪魔にならない程度のリンクをうまく設定していました。

まとめると

・内部リンクは検索流入を強化したいページに多く集まるよう設置を心掛ける

・アンカーテキストは見え方として不自然にならない程度にキーワードを入れる

となります。

意外と、「ここに内部リンク置いてたら自然だしユーザーのためにもなるのになー」というページはよくあるので、

「このページからこのページへ遷移したいなー」と思うページで検索流入を強化したいページの場合は、内部リンクを設置していけばよいと思います。

長くなりましたが、内部リンクについて考えていることを雑多に書き出してみました。

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